2019年現在、完全なる売り手市場である会計業界(税理士や税理士を目指す科目合格者が働く会計事務所・一般企業の経理など)ですが、オールシーズン転職が可能なのでしょうか?
答えはNOです。
会計業界は税理士試験の期間と密接に関係しており、求人が多いタイミングと少ないタイミングがはっきりとしている業界です。
条件の良い求人を探すにはこのタイミングを知ることがとても大切なんですね。
(過去2度の転職を行った経験者の結論です。)
- 会計業界から会計業界への場合の転職シーズン
- 会計業界から一般企業への場合の転職シーズン
上記の内容について説明をおこなっていきますので、現在会計事務所に勤務しており転職を検討している方は参考にしてみてください。
転職市場と税理士試験は密接な関係がある
会計業界での転職を考えている人は、税理士資格をすでに取得している人、若しくは、税理士資格取得中の科目合格者の人、これから税理士試験を受けようと考えている人など様々です。
ただ、これらの方全員に関係あるのが年に一度だけ実施される税理士試験です。
そのため、税理士試験と転職シーズンはかなり密接に関係しています。
この税理士試験のスケジュールに合わせて会計業界の求人も変わってきますので、まずは税理士試験のスケジュールを確認しておきましょう。
税理士試験スケジュール
- 4月上旬:試験実施官報公告
- 5月上旬から中旬:申込期間
- 8月上旬の3日間:試験実施日
- 12月上旬:合格発表
例年盆休み前に実施される税理士試験ですが、過去には盆休み後に実施されたこともあります。
※なお、2020年の税理士試験は東京オリンピックの関係で8月18日〜20日に予定されています。
上記日程が例年の税理士試験のスケジュールになります。ちなみに過去の税理士試験の実施日は以下の通り。
年度 | 実施日 |
令和元年 | 8月6日〜8月8日 |
平成30年 | 8月7日~8月9日 |
平成29年 | 8月8日~8月10日 |
平成28年 | 8月9日~8月11日 |
平成27年 | 8月18日~8月20日 |
平成26年 | 8月5日~8月7日 |
さて、皆さんはどの時期が転職のタイミングとして狙うべきかわかりますか?
気になる方はこれ以降の記事をご覧ください。
会計事務所への転職の場合
もっとも税理士試験と転職市場が分かりやすくリンクする業界がこれから紹介する税理士事務所(会計事務所)になります。
会計業界の転職市場に活気が出るタイミングは年間を通して3回あります。
各タイミング共に特徴があるので順に見ていきましょう。
税理士試験終了後の8月以降
税理士試験終了後の8月後半(盆明け)からが、一つ目の転職シーズン。
この時期の求人の特徴としては、年末から年明けの繁忙期に少しでも戦力となり得る可能性のある人材を探しているといった点です。
つまり、今すぐ即戦力とならない会計事務所未経験者でも、やる気があれば採用してもらえる可能性が高いです。
とは言っても、会計事務所のほとんどが未経験者を育てる体制ができていないので、実務経験のある方が優先的に採用されていきます。
税理士試験結果後の12月中旬以降
2つ目の転職シーズンは、税理士試験の結果発表後の12月中旬以降です。この時期は税理士事務所が一年でもっとも忙しい時期であり、即戦力の経験者の採用が中心となります。
実務経験のない科目合格者が転職するには厳しいタイミングといえます。
実は私が営業職から未経験の状態で会計事務所に転職したのが、このタイミングでとてつもなく辛かった記憶しかありません。
基本的に全員が多忙で、素人の私に指導してくれる人なんて誰もいなかったので過去のデータ見たりネット・書籍を読み漁ったりと転職してからの半年間はもう二度と経験したくないですね。
そのため、完全未経験の方は12月中旬以降の転職はできるだけ避けた方が良いでしょう。
また、この時期の転職は期間が短いといった特徴もあります。個人の確定申告が始まると一気に戦闘モードに入るので求人も減少していきます。
短期間でベストな転職ができるためにも、ブラックな会計事務所を見分ける力を身につける必要もあります。
確定申告終了後の3月中旬以降
そして、最後に紹介するのが3月中旬以降の確定申告が終わったタイミングです。
この時期の特徴としては、会計業界が一年間でもっとも一息つける期間であり、未経験者への指導も可能な期間のため未経験者の採用も多くなります。
はじめて会計業界へ足を踏みいれようという方は、このタイミングで入所するのがもっと良いでしょう。
また、実務経験があり更なるステップアップがしたいという方も主担当としての求人が増えるのもこのタイミングです。
この時期は幅広い求人が出るので自分に合った転職先を見つけましょう。自分で見つける自信がない方は、会計業界特化型のエージェントを利用するのがオススメです。
[jin-fusen1-even text=”おすすめの転職エージェント”]会計事務所から一般企業への転職の場合
一般企業の経理職については、上記の会計事務所とは全く状況が異なります。
一般企業の場合の求人は、前任の経理担当者が退職した場合や事業規模が大きくなったため新たに経理職を雇うといった求人がほとんどです。
そのため、求人情報が出るタイミングは特になく常にチェックしておくことが転職成功への近道となります。
会計事務所から一般企業への転職は、希望の先が決まるまで長期間かかることも多いので気長に焦らず良い先を見つけましょう。
特に一般企業の場合は、福利厚生や給与面にかなりの違いがあるのでに妥協せず納得できる先が見つかるまで頑張ってください。
一般企業への転職の場合は、「前任の経理担当者が定年のための募集」といった求人が狙い目です。定年間近の前任経理担当者は給与も高めのため、転職する際にのその金額がスライド(多少のダウンの可能性もあり)される可能性も高いです。
会計業界転職のタイミングまとめ
最後にもう一度会計事務所の転職タイミングを記載しておきます。
会計事務所から会計事務所への転職
- 税理士試終了後の8月
- 税理士試験結果発表後の12月
- 確定申告終了後の3月中旬以降
会計事務所から一般企業の経理への転職
- オールシーズン
- 定年退職者の後釜がおすすめ
- 各社福利厚生費に違いがあるので注意
自分に合った転職のタイミングわかれば、そこに向けての準備ができるので転職のタイミングはとても大事です。
基本的に最初の面接から採用までは1ヶ月〜2ヶ月は最低でもかかるので、今いる職場・仲間に迷惑がかからないように進めてくださいね。
もちろん、内定をいただくまでは絶対に他言無用ですよ!