
今回はこんな疑問に答えていきたいと思います。
[jin-fusen1-even text=”本記事のテーマ”]- 初穂料、玉串料を支払った時に使う勘定科目(法人・個人)
- 初穂料、玉串料を支払った時の仕分け(法人・個人)
- 初穂料、玉串料は経費にできる?
- 初穂料、玉串料には消費税が発生する?
- 初穂料、玉串料に似た支出一覧
会計事務所で勤務していると当たり前のことでも、確定申告のときくらいしか会計処理をしない個人事業主の方は迷いますよね。
この記事読めば100%理解できるように噛み砕いて解説していきますね。
初穂料、玉串料とは?
まずは初穂料(はつほりょう)と玉串料(たまぐしりょう)の違いについて簡単に説明しておきたいと思います。
初穂料とは?
初穂料の初穂とは、その年の最初に収穫した農作物のことをさします。
昔の人が初物を神様に捧げ初穂料が始まりましたが、最近では農家の方が少なくなったため農作物の代わりにお金をお供えするようになっています。
初穂料が用いられる例
合格祈願・安産祈願・厄除け・交通安全・神前式・地鎮祭・竣工式・お宮参り・七五三・各種祈祷・お守り・お札など
表書きには、「初穂料」「御初穂料」「御礼」などと書くのが一般的です。
玉串料とは?
玉串料の玉串とは、神道の神事で神前に捧げる紙垂(しで)や木綿(ゆう)をつけた榊のことをいいます。北海道では櫟や沖縄ではガジュマルの枝などを用いたりも)
玉串料が用いられる例
通夜際・葬儀・七五三、・お宮参り・結婚式・各祈祷・厄祓いなど
表書きには、「玉串料」「御玉串料」「御礼」などと書くのが一般的です。
[jin-tensen color=”#f7f7f7″ size=”3px”]ちなみに神式の葬儀では初穂料とするのはNGなので注意してくださいね。
初穂料、玉串料を支払った時に使う勘定科目(原則)
初穂料や玉串料は法人か個人事業主かで使う勘定科目が異なりますので注意が必要です。
また、経費に含めることができるのか否かも法人と個人事業主とでは異なりますので確認をお願いします。
法人の場合
『寄付金』
根拠としては下記に記載があります。
[jin_icon_arrow color=”#e9546b” size=”16px”]国税庁タックスアンサー 『No.5262 交際費等と寄附金との区分』ただし、次のような事業に直接関係のない者に対する金銭贈与は、原則として寄附金になります。
(1) 社会事業団体、政治団体に対する拠金
(2) 神社の祭礼等の寄贈金
[jin_icon_arrow color=”#e9546b” size=”16px”]国税庁消費税法の質疑応答事例 『お布施、戒名料、玉串料等』
お布施、戒名料、玉串料等の葬儀、法要等に伴う収入は、宗教活動に伴う実質的な喜捨金と認識されているものですから、課税の対象とはなりません。
なお、「喜捨金」とは喜んで捨てる金として寄付金のことを意味します。
経費に含めることができる寄付金の金額の計算方法
(資本金等の額 × 0.25% + 所得金額 × 2.5%)÷4
実際には法人税の申告書にて上限を超える部分を経費から除くといった処理を行いますので、期中は気にせず仕訳処理を行ってもらえれば問題ありません。
上の金額計算は税理士先生におまかせしましょう。
個人事業主の場合
『事業主貸』
法人では経費となる初穂料や玉串料ですが、個人事業主の場合は経費にすることができません。
上でも書いてあるとおり『事業主貸』の勘定科目で処理することとなる。
初穂料、玉串料を支払った時の仕分け
法人の場合
期中に処理する仕訳は以下の通りです。
(借方)寄付金 / (貸方)現金
個人事業主の場合
年中に処理する仕訳は以下の通りです。
(借方)事業主貸 / (貸方)現金
初穂料、玉串料を経費にしたい場合(例外)
法人の場合
原則としては寄付金勘定で処理することが一般的ですが。取引の捉え方を変えることによって例外的な勘定科目を使用することも。
祈祷料や初穂料としての支出であれば、従業員に対するものと捉え「福利厚生費」といった勘定科目を使用することも可能です。
お札や破魔矢、熊手なども神社でモノを買ったと捉えれば「消耗品費」勘定ににすることもできますよね。
個人事業主の場合
個人事業主の場合も従業員がいるのであれば、法人と同様に「福利厚生費」や「消耗品費」といった勘定科目を使うことも可能です。
ただし、個人事業主でもフリーランス(一人)の場合は、従業員がいないので「福利厚生費」といった勘定科目を利用することはできませんので注意が必要。
あまり多用はしたくありませんが「雑費」として処理することも。
初穂料、玉串料には消費税が発生する?
不課税
根拠としては下記に記載があります。
[jin_icon_arrow color=”#e9546b” size=”16px”]国税庁 タックスアンサー『No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例』消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供(以下「資産の譲渡等」といいます。)が課税の対象となります。
したがって、次のような取引は、課税の対象となりません。(2) 寄附金、祝金、見舞金、補助金等・・・・一般的に対価として支払われるものではないからです。
初穂料、玉串料に似た支出一覧
似たような支出の勘定科目も記載しておくので参考にしてください。
ご祈祷 | 寄付金(不課税) |
---|---|
神饌料 | 寄付金(不課税) |
お札・お守り・おみくじ | 寄付金(不課税) |
熊手(神社で購入) | 消耗品・雑費(不課税) |
熊手(露天で購入) | 消耗品・雑費(課税) |
初詣等の露店で購入した熊手や福笹は課税対象となるので注意してくださいね。
その他にも神社で購入するものや支払った支出にはいろいろな呼び名がありますが、基本的には上の考え方をしてもらえれば処理できます。
不明なものがあればコメントして頂ければお答えさせていただきますね